秘密分散法

現在、秘密分散法を用いて電子カルテといった個人情報が含まれる医療データをネットワーク上のストレージに分散バックアップするという取り組みがあります。平常時は医療機関ごとに医療データのバックアップを行い、災害時にバックアップデータを活用しようとするものです。しかし、医療データには個人情報も含まれているため、災害時に派遣された医療従事者が診察に不必要なデータを閲覧することは問題になります。バックアップデータから患者の診察に必要なデータのみを閲覧することができれば、外部から派遣された医師は患者に対して適切な処置を行うことができます。

しかし、秘密分散法によるバックアップデータの復元は完全復元か復元不可能のどちらかであり、データを部分的に秘匿したまま復元することはできません。

そこで、福本研究室では、(k,n)しきい値秘密分散法という手法を用いてデータを部分的に秘匿したまま復元する方法を研究しています。