異常呼吸音の特徴抽出

近年の医療機器のデジタル化に伴い、聴診音の録音や伝送が可能な電子聴診器が利用されています。聴診音による診断においては、呼吸音は重要であり、呼吸音の中でも異常があるものを異常呼吸音と呼びます。

現在、訪問看護の現場では、看護師が患者さんの家を訪問し、聴診器を使って心音や呼吸音を聞いています。しかし、看護師は,病気であるかどうかを法律上診断することができないため、電子聴診器を使って呼吸音を録音し、録音した呼吸音を医師に送信することで、医師がその音を聞いて、音情報のみで診断を行っています。しかし、この方法では、医師の元へ多くの現場から音源が一斉に集まってしまい診断するのに時間がかかってしまいます。そのため、治療が必要な患者に迅速な処置を行うことができない場合があります。

そこで、医師の負担を軽減し,在宅患者の病気の早期発見および治療を促せるように、福本研究室では、異常呼吸音の特徴検出に適しているウェーブレット変換という手法を解析に用いて、異常呼吸音をリアルタイムで検出するシステムの研究を行っています。