研究内容
現在は,最適化手法の一つである遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm : GA)を種々の問題に適用し,解を得るための手法を研究しています.
遺伝的アルゴリズム
ダーウィンの「自然淘汰説」によれば,種は,自然淘汰が作用した結果生じたものであり,ある地域の環境条件に最も適応している種が生き残り,さらに進化する可能性を秘めているとされている.つまり,進化の結果変異した個体がその環境から拒まれれば「悪く」,その個体は淘汰される.一方,その個体が環境に受け入れられれば「正しく」,その環境の資源を有効に利用でき,最も多くの子孫を残すことができるのである.このダーウィンの進化に関する考え方は,進化の総合説と呼ばれている.
DNA はすべての遺伝情報の担い手であり,アデニン,チミン,グアニン,シトシンの 4 種類の塩基を並べた 2 重螺旋構造をとっている.遺伝情報はこれら塩基の並びによって記述され,その情報は正確に子孫に複写,伝達されるが,高等生物の増殖は有性生殖であり,この場合は父方と母方の遺伝情報を混ぜ合わせたものを子孫が受け継ぐことになる.この過程は交叉と呼ばれている.また,まれに複写ミスが生じることがあり,これを突然変異という.突然変異は生物の進化の過程で重要な意味を持っており,ほとんどの場合は環境に適応できない個体を生成する.しかし,まれに幸運な突然変異を起こす場合があり,その個体は子孫を増やし,ついには集団のなかに広まっていく.
交叉や突然変異の結果生じた個体を次世代の集団として世代が進むと,環境への適応度が高い遺伝情報は優先的に伝えられ,適応度の低い遺伝情報は自然淘汰される.つまり集団の中には,適応度の高い個体が増殖していくことになる.これが遺伝と進化の基本原理である.
遺伝的アルゴリズムは,この初期世代では様々な DNA をもつ個体の集団が,複製や交叉,突然変異を繰り返しながら世代が進むうちに,環境に最も適した個体が集団の中に誕生するという過程を計算機上でシミュレートするアルゴリズムである.
GA 概説
※学内のみ- [00] 卒業論文
- [01] 判定問題と最適化問題
- [02] クラスNP
- [03] コマンドライン
- [04] グラフの表現(隣接行列)
- [05] 染色体表現・乱数
- [06] 終了条件
- [07] 次世代集団生成
- [08] 交叉法
- [09] 未完
- [10] 順列の生成
Python 概説
※学内のみ- [01] Introduction
- [02] Fibonacci
- [03] Graphs
- [04] Counting
- [05] Enumeration
- [P1] Coding
- [P2] Selection
- [P3] operator
研究テーマ
※学内のみ- [01] 有向グラフの順枝重み最大化問題
- [02] グラフの1次元配置問題
- [03] グラフの最長路探索
- [04] 色幅が指定されたグラフの彩色問題